高校を卒業し、自動車学校にも通い始めた!
いつかカッコいいスポーツカーに乗って、運転を楽しめるようになりたい!
でも速いスポーツカーってなんだか高そう……
そう思っていませんか?
実際、日産・スカイラインGT-Rやトヨタ・スープラ等の人気車種はかなり高額で、とても学生で購入できるシロモノではありません。
しかし、何もこいつらだけがスポーツカーではありません。
車種によっては、皆さんが思っている以上に安く購入・維持が可能です!
勿論スポーツカーといっても様々で、車体は安くカッコよいけど維持が大変な車や、見た目や知名度はイマイチでも車両価格や維持費が激安な車も存在します!
今回のコラムではそんな学生向けスポーツカーを紹介します!
なお、予算は30万円までを目安に格付けをさせて頂きましたが、維持費や人気度に関しては筆者の個人的見解ですし、価格も執筆時(2019年)なので、その点はご了承くださいませ。
車両価格 ☆☆☆☆☆
維持費 ☆☆☆☆☆
人気度 ☆★★★★
最初に紹介するのはモチロン軽自動車。
しかもビートやアルトワークスなどではありません。
具体的には
・スズキ:アルト及びアルトバン(4,5,6代目)
・ダイハツ:ミラ及びミラバン(5,6,7代目)
・ダイハツ:エッセ
・三菱:ミニカ
といった、大衆車というよりも営業車のイメージが強い車達です。
しかし、600~700kgの軽量でコンパクトな車体を、50馬力ちょっとの限られたパワーをギリギリまで引き出して楽しむ様は、まさにスポーツカーの本髄とも言えます。
しかもこれらは車体価格が激安で、多くの車体は一桁万円で買える上、大衆車なので純正の部品が市場にゴロゴロ出回っています。
万が一事故が起きても、格安で部品が購入できるため、お財布にもかなり優しい安心設計。
初めて車を購入する!という貴方にオススメです。
車両価格 ☆☆☆☆★
維持費 ☆☆☆★★
人気度 ☆☆☆★★
次に紹介するのは、軽自動車の中でも、スポーツ走行のチューニングベースとして人気な車達です。
具体的には
・スズキ:カプチーノ
・スズキ:アルトワークス(8代目を除く)
・スズキ:Keiワークス
・ダイハツ:ミラTR-XX
・ダイハツ:コペン
・三菱:ミニカダンガン
・ホンダ:ビート
・ホンダ:トゥディ
・マツダ:AZ-1(スズキ キャラ含む)
・スバル:ヴィヴィオRX-R
・スバル:プレオRS
といった車両です。
このあたりの殆どはターボなどの過給機が搭載されており、最高出力が軽自動車の自主規制いっぱいの64馬力なので、そこらの峠の下りでは敵ナシです。
ショートコースのサーキットでは、2Lクラスの普通車と対等に渡り合える速さだと思います。
しかし殆どは生産終了からかなりの年式が経過しており、格安の車両では様々な問題が発生する可能性が高いです。
きちんと手入れされている車両であれば問題ありませんが、そういった車両はプレミアが付いており、学生には購入できない価格になっています。
また、純正部品も少なくなっており、整備やメンテナンスの知識も要求されるため、車に対する愛が必要とされることでしょう。
それでも自動車税や自動車重量税の支払い、車検手続きなど多くの場面で、軽自動車のメリット(主に金銭面)で感じられます。
一人暮らしの大学生にオススメです。
・トヨタ:ヴィッツ
・ホンダ:フィット
・日産:マーチ
・マツダ:デミオ
車両価格 ☆☆☆☆★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆☆☆★★
確かに金はないけど軽自動車はちょっと……という人にオススメ。
排気量によっては1トンを切る軽量な車体に、扱いやすいエンジンを載せた車は、街乗りからスポーツ走行まで幅広く活躍することが可能で、友達とのちょっとしたドライブから車中泊を伴う長距離旅行までどこでも行けちゃうのもオススメポイント。
このへんのクラスのマニュアル車を新車で購入するのは車好きが多いため、極端にヤレた車が少ないのも魅力?
それぞれの車の魅力や狙い目グレードをご紹介。
ヴィッツのスポーツグレードといえば、1.5Lエンジンに110馬力のターボエンジンを積んだRS。
特に初代であるNCP13はホイールベースがかなり小さく、軽量な車体も相まって踏めば踏むだけ曲がっていく感覚は至高そのもの。
それなりに荷物も積めてそれなりに燃費も良く、車体も安いお得な車。
天下のトヨタなので基本的に壊れにくく、部品供給も多いので安心。
センターメーターが人を選ぶかも?
1.3LのNAのグレードも一部にかなりの人気があるらしい。
スポーツグレードのRSが設定されたのは2代目のGE型。
1.5Lで120馬力というハイパワーなi-VTECエンジンにクラス初の6MTを積んだ後期型が欲しいところだが、年式が新しいだけあって安いタマが少ないのがネック。
車内やトランクも広いため、普段使いに困ることなく、アフターパーツも多いためイジり甲斐があるのも楽しいポイント。
初代のGDフィットはかなり安くなってきているので、こちらもオススメ。
マーチのスポーツグレードは、やはり3代目K12の12SR。
コンパクトな車体を、高回転まで軽々と吹き上がる専用開発の1.2LのNAエンジンで振り回す感覚は、他の1.5Lクラスの車では味わえない魅力です。
全体的に丸みを帯びた、特徴的な外見が気に入るかどうかがポイント?(カエルみたいで筆者は好きです)
最小回転半径はなんと軽自動車並みの4.4m!
1.3Lエンジンと1.5Lエンジンの2種類がありますが、車体が軽量でコンパクトなため、どちらを選んでもキビキビした走りを楽しめます。
何より目を引くのが、今でも高い人気を誇る、古臭さを感じさせないカッコよいデザイン。
内装がかなりチープだったり、リアシートがかなり狭かったりとデザインの犠牲となった点はありますが、異性ウケを狙える車である事は間違いないでしょう。
ちなみに、そのコーナリング性能の高さから、モータースポーツ(特にジムカーナ)の最前線でよく使用される車でもあります。
車両価格 ☆☆☆☆★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆★★★★
圧倒的なコストパフォーマンス(?)で若い男性に圧倒的人気のスイフトスポーツの初代のモデル……のはずなのですが、何故か黒歴史扱いされているのが初代HT81S。
ジュニア世界ラリー選手権(JWRC)に出場するために装備された純正ワイドフェンダー、専用チューニングによって115馬力を発生する1.5LのNAエンジン、クロスミッション、リアディスクブレーキと豪華極まりない仕様でありながら、新車価格が軽より安く、当然中古市場も激安で値上げの気配を見せないというコスパの塊のような車です。
エアロパーツがほぼ存在しない、知名度が劇的に低くチューニングパーツも少ない等の欠点に我慢できる方には、本当にオススメできる一台です。
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆☆☆☆★
上記のスイフトスポーツより大体10万円ほどお高いモデルが、2代目のスイフトスポーツであるZC31S。
先代ほどカリカリの競技向けではありませんが、こちらも前後ディスクブレーキやハブ5穴化など、スポーツカーらしい仕上がりになっています。
そのためモータースポーツの世界では未だに見かける事も多く、中古車もカスタムされたものが多い印象を受けます。
2010年まで販売されており、比較的年式も新しくタマ数も多いため、普通に乗る分には上記のスイスポよりこちらのモデルの方が良いかもしれません。
今買うなら、レブリミットが7200rpmまで引き上げられた2007年以降のモデルがオススメ。
デザインのために犠牲になってしまった狭い後部座席や小さいトランク、ワイヤーではなく電子スロットルである点が残念?
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆☆☆☆☆
手軽に乗れるスポーツカーといえば?
誰に聞いても、ロードスターとの答えが帰ってくるでしょう。
決して高出力なエンジンではないものの、フロントミッドシップにFRレイアウトで、まるで手足のように扱うことができるロードスターは、まさに『ドライビングを楽しむ』という、スポーツカー本来の姿と言えます。
数年前まで初代NAロードスターも手が届く車でしたが、生産終了から今年で22年を迎え、完全にプレミアが付いてしまい、簡単に買える車ではなくなってしまいました。
こちらのNBも生産終了から14年を迎え、中古市場にも過走行車が並ぶようになってきましたが、同年代のFRスポーツカーが少ない以上、先代のNA同様いつプレミアが付いてもおかしくない状況です。
買うならお早めに!
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆☆☆★★
ロードスターと並ぶ、トヨタのライトウェイトスポーツです。
同じ後輪駆動ですがこちらはミッドシップであり、ロールの少ないクイックなハンドリングはまさにスポーツカー。
そしてこちらもオープンカーであり、サーキットからドライブデートまで幅広く使用が可能です。
しかし特徴的なデザインや、FRではないことが災いしてか、それほど人気が出ないまま生産終了を迎えてしまったため、市場では状態の良い格安中古車を多く見る事ができます。
当時のヴィッツ系のコンポーネントを流用して作られており、基本的に壊れにくく、故障した際も修理部品の在庫が多いため安心です。
5ナンバーサイズ&レギュラーガソリン使用で普段使いにも全く問題ありませんが、本来トランクのある所にエンジンがあるため、荷物は殆ど運べません。
乗り降りのし辛さや、積載量の少なさに目をつぶれば、かなり狙い目のスポーツカーと言えるでしょう。
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆★★★
人気度 ☆☆☆☆★
インプレッサと並ぶ、スバルの誇るハイパワーターボ+4WDセダン(ワゴン)。
WRCでの活躍もあり、未だに高い人気を誇るインプレッサに対し、中古市場がそこまで高額ではないのが特徴。
同じエンジンでありながらインプレッサほど馬力出てないとか、10万Kmを超えると急に壊れだすといった話はありますが、それでもアクセル全開にした時の暴力的な加速と鬼のようなトルクは並大抵のスポーツカーではかないません。
ツーリングワゴンと呼ばれるモデルでは、5人がゆったりと座れるシートに、かなりの積載量を誇るトランクを兼ね備えており、釣りやキャンプなど、アウトドア趣味にも大変便利です。
ガソリン代と、修理費に涙を流すのもまた一興。
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆☆☆☆★
綺麗なGDB系インプレッサがこんなに激安価格で!?という中古車があれば、多分これです。
インプレッサはインプレッサでも、ラリーで有名なハイパワーのEJ20ターボエンジンではなく、1.5LのNAエンジンを積んだ、いわばトヨタのAE86に対するAE85のようなグレード。
非力・重い・等長エキマニと2Lターボのインプレッサと完全に相反する存在ですが、2L車のバンパー・ボンネット・リアスポイラーを中古で買って取り付ければ見た目は完全にハイパワースポーツのインプレッサ。
そもそも、ラリーカーのベースとなるだけあって、このグレードでも車体剛性や足回りは十分に立派です。燃費もかなり良いため、むしろ壊れやすいターボのインプレッサより愛着沸くかもしれません。
インプレッサのデザインが好きなら買ってみる価値はあるでしょう。
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆☆☆☆☆
学生に大人気、トヨタのFRスポーツセダンです。
走りの縦置きFRに前後ダブルウィッシュボーンサス、名機3S-GEエンジンを搭載し、4ドアで人も荷物も乗り、日常生活にも不便のない高級スポーツセダンとしてデビューしたアルテッツァですが、その中途半端な設定が仇となり、イマイチ人気の出ないまま生産終了してしまいました。
しかし、やはり手頃なFRスポーツカーだけあって部品やアフターパーツが豊富なため、自分でカッコよく・速い車へと改造していく楽しみがあります。
また、高級スポーツセダンをコンセプトに開発されていたため、乗り心地も良く、基本的には壊れにくいのも魅力です。
また、AS200と呼ばれるグレードでは1G-FEという直6エンジンを搭載しており、低振動で滑らかに回る直6エンジンは、しなやかな足回りも相まって、長距離のツーリングには最適です。
クロノグラフをモチーフとした、スピードメーターも恰好いいと評判です。
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆★★
人気度 ☆☆☆☆★
先代のFD3S型RX-7が完全にピュアスポーツであったのに対し、環境を意識し全車NAとなったエンジンや、ファミリーカーにしては微妙に使いづらい観音開きのリアドア、スポーツカーにしては1300kgオーバーの重い車体と、微妙な設定でイマイチ人気が出なかったのは上記のアルテッツァとよく似ています。
しかし9000回転オーバーまで軽々と気持ちよく吹け上がる、13Bロータリーエンジンや、FDよりも優れていると言われているコーナリング性能など、他の追随を許さない楽しさがあります。
パッケージングもエンジンも他のスポーツカーと一線を画すため、オーナーの所有欲が満たされる事は間違いありません。
しかし、きちんとメンテナンスを行われていないロータリーエンジンは壊れやすく、価格の安い中古車は管理がきちんとなされていなかったものが多いです。
特にエンジンオイルの消費が激しい車両が多いため、多少の整備は自分でやっていく覚悟がないと、ずっと付き合っていくのは難しいかもしれません。
もっとも、このくらいの車種になると、それを承知で車を購入するが多いとは思いますが……
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆☆★
人気度 ☆☆☆☆☆
初代からスペシャリティーカーという立ち位置で、販売されておりました。
3代目~6代目は主にラリーを中心としたモータースポーツでも大活躍しており、モデルによってはレースカーという印象が強い車です。
若者向けに新車価格も安く、沢山販売された事も相まって、状態の良く価格も安い中古車が数多く見受けられます。
狙い目は四つ目ヘッドライトが特徴の6代目、スタイリッシュなデザインの7代目です。
どちらも3ナンバーサイズで5人乗りのハッチバックで、荷物も乗り、パワーも十分で非常に乗りやすく、スポーツカー初心者にオススメの車と言えるでしょう。
注意すべきなのはグレードによってエンジンや足回りが異なる点です。
どちらもSS-Iと呼ばれるグレードは低燃費で控えめなエンジン、SS-II以上にスポーティーな高性能エンジンが搭載される、という構成になっています。
その他、スーパーストラットサスペンションというトヨタ独自開発の高性能サスペンションが組まれているモデルがあります。
このスーパーストラットが曲者で、特殊な構造であり、整備が大変なため、DIYでの整備が好きな方にはあまりオススメできません……
車両価格 ☆☆☆★★
維持費 ☆☆☆★★
人気度 ☆☆☆☆★
漫画『頭文字D』で有名なAE86……ではなく、歴代モデル末期のAE111 通称ピンゾロ。
モデルによってスポーツカーであったり、ラグジュアリーカーであったりしたレビン/トレノでしたが、このモデル、特にBZと呼ばれるグレードは生粋のスポーツカー。
特筆すべきは完成されたエンジン、4A-GEの『黒ヘッド』でしょう。
1.6Lで165psを絞り出す、20バルブで4連スロットルのDOHCエンジンは、パワー感だけでなく、吸気音やレスポンスが素晴らしく、気分良く運転させてくれる事間違いないでしょう。
広くはないものの4名の乗車が可能であり、街乗りでも不便はそこまでありません。
しかし、車の特性上、サーキット走行やモータースポーツに使われていた車両が多く、状態によっては購入後の整備にかなりのお金がかかってしまう事も予想されます。
数年前までは学生向けの格安スポーツクーペの代名詞でしたが、生産終了から19年を経て、なかなか敷居の高い車となってしまいました。
いかがでしたか?
上記は例にすぎません。軽自動車でも状態が良ければ30万円以上はしますし、知人やオークションから購入すれば、普通車だって10万円以下で購入できる場合もあります。
買ってしまえば愛着は沸くもの。
しかし結局は、どんな車であれ、好きな車に乗るのが一番です。
どんな車であれ、乗ってしまえば愛着は自然に湧いてくる場合が多いですが、本当に好きな車がある人は、本気でお金をためて購入するのも一つの手でしょう。
くれぐれも、バイトのしすぎで学業が疎かになってしまわないように!
それでは皆さん、良きカーライフを!
執筆:静岡大学自動車部