近年、リサイクル部品をもっとたくさんの人に利用してもらおうという動きが活性化してきています。 その中で、経済産業省が創設予定の「リサクル部品の履歴表示制度」という新しい制度に注目が集まっています。 この制度を簡単に説明すると、これまではリサイクル部品やリビルドパーツの品質に関して、統一した明確な基準が設けられておらず、 日本自動車リサイクル部品協議会や、NGP日本自動車リサイクル事業協同組合、 株式会社SPN(エス・ピー・エヌ)などの自動車中古部品販売団体が各々定めた、 業界独自の品質基準や保証制度でユーザーの安心を得るという形態をとっていましたが、そこに新たに取 り外した部品の車輌がどんな車だったのかということを追記することで、実際にリサイクル部品を利用するユーザーに品質をより一層、わかりやすいものにするという目的があります。
具体的には、廃車などから取り外した該当のパーツを、実際に取り外した車の年式や、事故・修理の履歴があったかどうかなどといった履歴を、
リサイクルパーツを使用する修理工場や整備工場に通達するというものです。
これによってリサイクル部品、特に品質に関しては曖昧な部分が多かったリビルドパーツのより詳細な状態を把握することが可能になることが予想され、
リサイクル部品の信頼性が高まることが期待されます。また、ここ数年、自動車を利用するユーザーの傾向として、
自動車の保有期間が長期化しているというデータがあがってきています。
これはつまり、昔に比べて1台の車を長く乗る人が増えているということを示していているわけですが、
そういった低年式車を利用しているユーザーの増加にともなって中古部品の需要も増えることが予想され、リサイクル部品の十分な供給量の確保と販売促進にもつながると考えられています。
一部ではこれはまるで現在食品などに利用されている“トレーサビリティー”のような制度だと捉えられており、
対象の自動車の生産からの再生履歴などを利用者が追跡を行なうことができる事によって、
情報不足や品質への不安から今までリサイクル部品やリビルドパーツの利用に二の足を踏んでいたユーザーの安心感を得られるという声があがっています。
しかし、その一方で、自動車リサイクル業界の中では、このような制度を設けることによって、反対にリサイクルパーツの流通が制限されてしまうのではないかという懸念もあります。
未だ、実施の時期や表示項目などの詳細は未定であり、実装には経済産業省と自動車リサイクル業界の歩み寄りが必要と考えられます。
リサイクル部品やリビルドパーツの品質については、これまでも幾度と無くその品質や安全性に関する制度について物議をかもしていましたが、
一番にドライバーであるエンドユーザーのことを考えた政策になることを期待するばかりです。
私達、廃車マンは愛車を乗り続けるお客様を応援しています。
より品質の良い自動車中古部品をご提供できるように日々精進してまいります。