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大切な愛車のホイール選び

HONDA インサイト
<HONDA インサイト>

車に、少しでも興味がある人なら一度はやってみたいと思うのが、社外ホイール交換です。ですが、「ホイールってたくさんあって、どれを選べばいいのかわからない。」とゆう方が多いと思います。インターネットで、かっこいいと思うホイールを見つけても、「このホイールを自分の車に付けることができるのか」、不安になると思います。「車検に通るかどうかわからない。」「車屋さんで買うと、高くて買えない」と思うことも少なくないと思います。

できるなら自分で、お気に入りのホイールを買い安く済ませることができるなら、うれしいですよね。今回は、ホイール選びに関わる専門用語から、タイヤ選びまでわかりやすく、詳しく、話していきますので、最後まで読んでいただけたら幸いです。

⒈インチアップについて

17インチにインチアップした私の車
<17インチにインチアップした私の車>

まずは、インチアップについてお話していきます。純正ホイールから、かっこいいホイールに交換を行う場合、ほとんどの人が、ホイールのインチアップを考えると思います。ホイールの主張が、強くなり、見た目がスタイリッシュになりますよね。ですが、インチアップにもメリットと、デメリットがあります。

インチアップのメリット

・ホイールが大きくなりスタイリッシュになる。
・タイヤの扁平率が小さくなるので、ヨレが少なくなりハンドルを切ったときの応答性がよくなる。
・ブレーキ周りの空間が、広くなるので大きなブレーキを搭載できて、ブレーキ性能向上につながる。

インチアップのデメリット

・乗り心地が悪くなることがある。
タイヤの低扁平化により、タイヤが路面からの衝撃を直接ホイールに伝えてしまうため、ゴツゴツした乗り心地になることがあります。ですが、最近の車は大きなホイールかつ、低扁平タイヤを純正で装着していることもあり、一概に乗り心地が悪くなるとは言い切れません。

・燃費が悪くなる。
インチアップを行い、純正のタイヤ外形にそろえたとしても、タイヤよりもホイールの方がはるかに重いため、加速時により多くの力が必要となるため、燃費が悪くなります。

・タイヤ交換費用が高い。
タイヤのサイズが、大きくなるにつれ、タイヤ本体の値段は高くなっていきます。また、ホイールのインチが大きくなるにつれて、交換にかかる料金も高くなってしまいます。

⒉インチダウンについて

15インチにインチダウンした私の車
<15インチにインチダウンした私の車>

続いては、インチダウンについてお話します。「インチダウンなんていつするのだろう?」というふうに思われる方もいると思いますが、雪の降るところにお住まいの方なら、スタッドレスタイヤというものをご存じなのではないでしょうか。大抵は、インチダウンさせてスタッドレスタイヤを履かせている場合がほとんどです。なぜ、インチダウンするのでしょうか。インチダウンのメリットとデメリットを見ていきましょう。

インチダウンのメリット

・乗り心地が良くなる。
インチダウンをすると、タイヤの占める体積が大きくなるため、同じ空気圧でもより多くの空気が入ります。よって、ふわふわとした突き上げの少ない乗り心地になります。

・燃費が良くなる。
ホイールが軽くなるため、燃費向上に繋がります。

・タイヤ交換費用が安くなる。
タイヤの本体価格が安く、また交換の工賃も安くなる場合があるので、車の維持費を抑えることができます。

インチダウンのデメリット

・見た目のスタイリッシュさが劣る
タイヤの主張が大きくなり、ムチムチとした外見になります。セダンやファミリーカーやクーペであると、デメリットかもしれませんが、近年流行りのSUVでは、力強さが増してアクセントになるかもしれません。

・走行安定性が劣る
タイヤの占める割合が、多くなったことでハンドルを切ったときにヨレが生じ、少し遅れて車が曲がっていくように感じてしまいます。

⒊PCDと穴の数について

PCDの説明図
<PCDの説明図>

先ほど、インチアップとインチダウンのメリット、デメリットを見てきました。続いては、ホイール購入においてとても重要な、各部位の名称と説明を行っていきます。

まずは、PCDと穴の数についてです。PCDというのは、Pitch Circle Diameter の略でわかりやすく言うと、ホイールを止めているナットの穴の中心が、ホイールの中心からどれくらい離れているかを表しています。

日本の車では、PCDが100と114.3があり、穴の数は4個と5個が主流です。主に小型車では、PCD100の4穴が多く、少し大きなパワーのある車になると、PCD114.3の5穴が多いです。日本車では、これらの組み合わせが主流ですが、スバル車やトヨタ車の一部は、PCD100の4穴が存在しますので、ホイールを購入する際には注意が必要です。

⒋リム幅とフランジ形状について

リム幅
<リム幅>

続いて説明するのはリム幅と、フランジ形状についてです。フランジ形状とは、ホイールのリムの形状のことです。BとJとJJの三種類があり、フランジの高さと厚みがそれぞれ違います。

Bは、リム面からフランジ頭頂部の高さが、14㎜でフランジの厚さが10㎜。Jは、リム面からフランジ頭頂部の高さが、17.5㎜でフランジの厚さが13㎜。JJは、リム面からフランジ頭頂部の高さが、18㎜でフランジの厚さが13㎜。となっており一般的にはJとJJが主流です。フランジ形状が違うからと言って、タイヤ選びにはあまり関わらないので、気にしなくて大丈夫です。

リム幅というのは、ホイールの厚みのことを指します。この値は、インチ単位で表記されており、大きくなればホイールの幅が大きくなり、より幅の広いタイヤを履かせることができます。一見メリットのように思えますが、デメリットもあります。

リム幅を大きくした時のメリット

・太いタイヤを履けるのでグリップ性能が上がる。
・見た目がカッコよくなり存在感が強くなる。
・タイヤのヨレが少なくなり安定する。

リム幅を大きくした時のデメリット

デメリットとしては、つぎのようなことなどがあげられます。
・タイヤの幅が大きくなることにより、地面の凹凸や轍にハンドルが取られやすくなる。
・タイヤの接地面積が増えるので、ロードノイズや振動が車内に入ってきやすくなる。
・リム幅を大きくした分だけ、ホイールの重量が増えるので燃費が悪くなる。

不適切なリム幅を選択した場合、タイヤが走行中に外れたり、タイヤがバーストしたりしてしまうので、自分の車にあった適切なリム幅を選択することが、事故を未然に防ぐ意味でも大切です。

⒌インセット・ゼロセット・アウトセットについて

インセット・ゼロセット・アウトセットとは、ホイールの中心が、ホイールのナットを付ける位置からどれだけ離れた位置にあるか、というのを表します。

インセットは、ホイールの中心よりホイールナットの取り付け面が、外側になるので、外から見たときにホイールは奥まって見えます。ゼロセットは、ホイールの中心と、ホイールナットの取り付け面が、ちょうど一致しているところを指します。アウトセットは、ホイールの中心よりホイールナットの取り付け面が、内側になるので、ホイールは外に出てきます。

数年前までは、オフセットという言葉のみで表記されていました。例えば、インセット5mmはオフセット+5mm、ゼロセットはオフセット0mm、アウトセット5mmはオフセット-5mmという感じで対応しているので、オフセットで書かれている場合は、これをもとに変換してみてください。

基本的に、純正ホイールの場合はホイールハウスの中に隠れて見えます。よって、ホイールをカスタムしてカッコよくしたいと思った場合は、ホイールの面をボディーの表面ギリギリまで出す、ツライチセッティングをよくしますよね。このセッティングをする際に重要となるのが、インセット・ゼロセット・アウトセットなのです。ちゃんとインセット・ゼロセット・アウトセットを理解してかっこいいホイール選びをしましょう。

⒍車検に通るタイヤ選び

ホイール選びが完了したら、いよいよタイヤ選びです。タイヤ選びで注意しないといけないのは、外径をそろえるのとロードインデックスを考えることです。

外径とは、タイヤの外周の大きさのことを指します。もし、外径がずれていると、スピードメーターに大きな狂いが出てしまい危険です。なるべく純正タイヤの外径と、同じかそれより少し小さい外径の物を、お勧めします。

もし、外径の大きすぎるタイヤを履いていると、スピードメーターでは法定速度内で走っているように見えても、実際はより早いスピードで走行していることになり、取り締まりの対象になるかもしれませんのでご注意ください。

ロードインデックスとは、タイヤ1本で支えられる最大負荷能力のことです。タイヤは、充填する空気圧によって負荷能力が変わります。ロードインデックスとは、タイヤがバーストしない程度の最大まで空気を充填した場合の、最大負荷能力のことです。

負荷能力とは、タイヤが運搬することができる質量、つまりタイヤにかかる荷重に対してどれだけ耐えられるのか、という耐荷重性能のことです。タイヤに充填する空気圧によって、負荷能力は変化します。ロードインデックスは写真のように、表記されていて表のように最大で耐えることができる力が変わります。

タイヤサイズとロードインデックス
<タイヤサイズとロードインデックス>

表 ロードインデックスと負荷能力の関係
<表 ロードインデックスと負荷能力の関係>

自身の車の車重を知り、ロードインデックスをよく考えて、タイヤ選びをすることが大切です。もし、間違えたタイヤ選びをした場合には、走行中にタイヤのバーストが起こってしまったり、タイヤが外れてしまうことがあるのです。ホイールが傷つくだけであればよいのですが、最悪の場合、自身の車は廃車になり、他人を巻き込む重大な事故に発展するかもしれないのです。

適切なタイヤ選びはとても重要なので、わからない人はカーショップの人や詳しい知人に聞いてみるのが良いと思います。

⒎最後に

これまでホイールの各部名称から、タイヤの選び方まで詳しく説明してきました。近年は、ネット通販が盛んになり、タイヤとホイールまでネットで買える時代になりました。今までは、ガソリンスタンドやカーショップで購入するのが常識でしたが、ネットで買ってみようと思う人も少なくないと思います。

値段の安い外国製のタイヤも増えてきて、国産タイヤをショップで交換すると10万近い値段がするのに対して、工賃も含めて4万円程度で交換可能となりました。家庭の支出を抑える面でも、とても魅力的ですよね。

あとは、溝が少なくなるまでタイヤを履かなくても、交換に対するハードルが下がったことにより、気軽にタイヤ交換ができると思います。ハイドロプレーニングは、とても怖い現象です。気づいた時には、ハンドルは言うことを聞いてはくれません。こまめなチェックと、必要な時には交換したほうがいいと思います。

長々となりましたが、お気に入りのホイールと、コストパフォーマンスの優れたタイヤを選び、快適なカーライフを送っていただけたら幸いです。カーチューンに興味を持つ人が増えて、最近減りつつある車好きが増えたらいいなと思ってこの記事を書きました。最後まで読んでいただきありがとうございました。

執筆:広島大学体育会自動車部 2年 谷原 空

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