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長期保管車の管理

こんにちは!岐阜大学自動車部です。

今月中旬、筆者である私は「しばらく乗らないから、車を預かってくれないか」と、友人から相談を受けました。
敷地のスペースに余裕があり、二つ返事でオッケーしました。

しかし、よくよく考えてみると、いわゆる「長期保管車」の維持は、どうするのが正解なのだろうかとの疑問に至りました。
そこで今回は、足を怪我してしばらく乗れない!車がいらない大都市に異動になった!時などに参考にできるよう、長期保管車の維持について、まとめてゆきます。

預かることになった日産S15シルビア
預かることになった日産S15シルビア

そもそも長期保管すべきではない

身も蓋もない言い方ですが、そもそも車は、動いていない状態で保存されるような構造をしていません。各部品は、定期的に動作する前提で、メーカーも考えています。
だから「毎日何十キロも乗っています!」という車の方が、走行距離が多くても、状態がいいなんてことはよくあります。

これは機械モノである故、潤滑が必要であり、自動車の場合はご存知の通り、オイルがこの役割を担っています。

例えば、乗っても乗らなくてもエンジンオイルの交換は必要です。
エンジンが動作していない状態が1ヶ月程度続くと、オイルパンにほぼすべてのオイルが、戻ってきてしまいます。

1ヶ月程度では、まだ油膜レベルでは残っていますが、さらに放置すれば油膜も切れ、最後にはサビ、腐食と悪化していきます。
さらに、エンジンオイルは、半年ほどで性能を発揮できなくなるので、例え走行距離が0kmでも交換が必要です。

他にも、車が動いていないときでも消耗するものがあります。
それはバッテリーです。
バッテリーは、全く使っていなくても、温度や湿度の変化などで、少しずつ放電します。

さらに車には電装品が付いています。
バッテリーから電力供給される電装品は、情報の保持などの目的で、微弱な電流を常に消費しています。
これも1か月程度で放電してしまい、いわゆるバッテリー上がりの状態になります。

バッテリーは消耗具合をチェックできる機種もある。
バッテリーは消耗具合をチェックできる機種もある。

ではどうするのが良いか

前述のまとめをすると、1か月でエンジンオイルとバッテリーがダメになる、ということでした。
では、1か月ごとにエンジンを始動し、バッテリーを充電すればいいか、というとそうではありません。

車の劣化するポイントは、金属部のサビ、ゴム部の硬化・割れ、電気関係の3点が大きい要因です。
電気関係は、バッテリーを外しておけば、ある程度大丈夫です。
しかし、金属部のサビとゴム部の硬化・割れには、それぞれ注意しなければならない事があります。

金属部のサビは、ミッション・デファレンシャルギア、そして燃料タンクなど。
ゴム部の劣化はタイヤなどです。

ミッション・デファレンシャルギアもエンジン同様、オイルで駆動しています。
これらもケース内の下部にオイルが落ち、エンジンオイルと同様、油膜切れが発生します。

タイヤの空気圧は、1か月のうちにおよそ1割下がると言われています。
従って空気圧は、少し高めにしておくと良い、と考えられますね。
ところが、ずっと同じ一点に荷重がかかっている状態が続くと、その部位が変形してしまいます。

さらに紫外線により、全体の劣化も起きます。
動いていないと特に、日当たりの影響で、左右、前後で劣化状態が違う、なんてことも起きます。
これらは動かすことである程度解決しますが、動かすと減っていくのは燃料です。

燃料タンクは、燃料が少ない状態が続くと、燃料に触れていないタンク内壁が錆びていきます。
さらにガソリンも、空気に触れていると酸化し、劣化します。
これに関しては、できるだけ燃料が満タンの状態が望ましいので、駆動部とタイヤのために軽くドライブ、その時に給油と空気圧のチェック、といった定期的な作業が必要です。

保管する車両のタイヤの空気圧に注意
保管する車両のタイヤの空気圧に注意

保管環境にも注意

今までの話で、触れていない項目があります。
外装です。
車のボディやブレーキなどは、太陽からの紫外線や気温、雨風や雪、時期によっては黄砂など、多様な環境下にあります。

炎天下で長時間駐車したとき、ダッシュボードがべた付くような車があるように、自然環境は車に優しくありません。

太陽光をある程度遮ることのできる「サンシェード」や、ボディを風雨から守れる「ボディカバー」などがあると、かなり変わってきます。
それでも足回りやマフラーなどが、カバーから出てしまうので、サビなどが発生していないか、確認する必要があります。

マシンカバーをかけることで風雨をしのげる
マシンカバーをかけることで風雨をしのげる。

既に長期保管している車がある!という場合

今までは、これから車を長期保管するという人に向けた内容でした。
ここからは、すでに長期保管している車を再始動する場合の話をしていきます。

ほとんどの場合、先述の通りバッテリーが上がっています。
バッテリー上がりは、JAFを呼んでジャンプスタートしてもらう、ジャンプスターターキットを使う、バッテリー充電をしてもらう、などの方法で解決します。
年単位で保管していた場合は、新品にした方がいいでしょう。

最近の車で、アイドリングストップが搭載されている場合は、バッテリーの寿命と共に、アイドリングストップが動作しなくなってきます。
そうなった場合も、新品にするべきです。

次は、ラジエータのリザーバータンクを確認します。
ラジエータとエンジンを繋いでいるパイプは樹脂であり、これにクラック(ヒビ)が入っていると、冷却水が漏れ出てしまう可能性があるからです。
冷却水がない状態でしばらく運転してしまうと、オーバーヒートしてしまいます。

それぞれチェックが終わったら、エンジンをかけてみましょう。
暖気が完了し、アイドリングが落ち着き始めたら一安心です。
アイドリングが安定しない場合、エアフロセンサーの不調の可能性があります。

これは、エンジンへの流入空気量を測定しているセンサーで、ここが汚れなどで正常な測定ができなくなると、アイドリングが安定しません。
この場合は修理のため、整備工場までレッカーしてもらいましょう。

また、なんらかのベルトが鳴いている、または切れてしまった、という場合もエンジンを停めて、レッカーしてもらいましょう。
エンジンから伸びるベルトは、オルタネータ(充電器の役割)、パワステ、エアコン(エアコンプレッサー)、ウォーターポンプの駆動を行っています。
オルタネータが停止すると、バッテリーの充電が行われなくなるため、最後にはエンジンが停止してしまいます。

パワステの場合は、ハンドルが異常に重くなり、ウォーターポンプの場合は、冷却水の循環が停止し、オーバーヒートしてしまいます。
エアコンに関しては、エアコンが効かなくなります。

これらエンジン周りの補機類を、何本かのベルトで別々に作動させている場合は、ベルトが一つ切れたら、補機類が一つ動かなるだけで済みます。
しかし、これらすべてを1つのベルトで駆動させる「サーペンタイン方式」の車もあります。この「サーペンタイン方式」の場合、すべて同時に停止します。

いずれにしても、安全に動いている状態ではないので、繰り返しますが、整備工場までレッカーしてもらいましょう。
ここまですべてオッケーだった場合は、いよいよ動かす事ができるようになりますが、最後に忘れずに確認しなければならない事があります。
それはブレーキです。

当たり前ですが、ブレーキの効かない車を走らせることはできません。
サイドブレーキは正常に解除できているか、パッドは効いているかなどを確認し、微速からブレーキをかける、徐行からブレーキをかける、といった具合に、少しずつならしていきましょう。
表面のサビが落ちてくると、正常に効くようになります。

続いてタイヤです。
タイヤが偏摩耗している場合、「どっどっどっ」といった、周期的な揺れを、速度に連動して感じます。
また、空気が抜けた状態で放置していた場合、ホイールが接地して変形している場合もあります。
いずれも危険なので、レッカーをお願いしましょう。

全て大丈夫な場合、公道に出ることになりますが、その前に車検切れでないかを確認しなければなりません。
車検切れの場合、法的に自走不可の状態となるため、必ず「仮ナンバー申請」を行い、仮ナンバーを装着した状態で、車検場か修理工場まで自走してください。

車検切れで公道を走行した場合、「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」と「30日間の免許停止」(前歴がない場合)が確定します。

仮ナンバーの申請は、自分が住んでいる自治体の市役所などで、車検証、運転免許証、印鑑、自賠責保険証があれば、よほどのことがない限り、その場ですぐに交付されます。
自賠責保険が切れているなら、事前に契約しましょう。

また手数料が若干かかるので1000円程度の現金をもっていってください。
さらに、有効期限が短く、事前にどこを通っていくか、なども申告する義務があるので、どの整備工場に運ぶかも、予め決めておきましょう。

ボディは放置しているとどんどん汚れていく
ボディは放置しているとどんどん汚れていく

次は整備!高額出費になることも…

自走でもレッカーでも、整備工場まで到着したら、まず整備士の方に「○○か月ほど放置していた車両なのですが…」と一言伝えましょう。
放置していた期間にもよりますし、個人の見解にはなりますが、消耗品はほとんど交換した方がいいです。

例えば、
エンジンオイル、フィルター
ミッションオイル
デフオイル
ブレーキパッド(ブレーキシュー)
ブレーキローター(研磨含む)
ブレーキフルード
パワステフルード
エアクリ―ナー
エアコンフィルター
クーラント
ベルト類
タイヤ
などです。

車検の際もそうですが、消耗品の交換を怠った場合、あまりいいことはありません。
結果として高額な出費になることもありますが、不安を抱えたままより、安心して運転したいですよね。
走る、曲がる、止まる、はケチらない、が私の考えです。

エンジンルームにある各リザーバータンクは目視で確認
エンジンルームにある各リザーバータンクは目視で確認

最後に

いかがだったでしょうか。
長期保管は意外と気をつけなければならない事が沢山あり、手間です。
私に預けてきた友人の場合は、時間がない上に駐車場代が高額であり、乗らない車に毎月かかる駐車場代が負担という事でした。

しかし売却はしたくないので、比較的時間の取れる私に依頼があったのです。
預けられる人がいない場合は、思い切って売却してしまう、というのも手です。
保管しているだけで、使っていなくても査定額は下がっていきます。

それでもこの車にもう一度…と考える方には、車の長期保管を依頼できるサービスがあります。
屋根付きの車庫で、試運転から洗車まで行ってもらえます。

再び乗れるようになった時、元気なマイカーに再会できます。
車に愛着がある人が減った、といわれる時代ですが、これからも愛車と共に歩みたい、という方に為になると幸いです。

執筆:岐阜大学自動車部

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