こんにちは、静大自動車部です。さて早速ですが、皆さんは交通事故を起こしたことがありますか?出来れば生涯、自動車事故などには関わりたくありませんよね。また不幸にも、自動車事故を起こしてしまった際、どうしたらよいのか?何をするべきなのか?知らないことばかりです。
先日、わたしは残念ながら「自損事故」を起こしてしまいました…自動車事故を経験した、その経験に基づいたのが今回のテーマです。
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身体に異常がないか確認し、怪我人がいる場合は救急車(119)を呼ぶ。 また車を動かせる場合は、交通の妨げにならないように、移動させておく。 |
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② |
警察(110)に連絡し、事故状況を説明する。 警察からの事情聴取には、すべてを話してください。 この内容をもとに事故証明を作成します。 (事故証明は保険を使うときに必要になります) 後から言い忘れたことなどを話しても、聞き入れてもらえない場合があります。 |
③ | 保険会社や車屋さんに連絡する。 |
④ | 自分の車が走行可能か、水溜まりやオイル溜まりができていないか、確認する。 |
⑤ |
車を引き上げる。 走行可能なら自分で運転し、車が動かないなら、車屋さんなどに連絡して、引き取りに来てもらいましょう。 夜間の場合は、JAFに連絡するのが良い。 また、修理前に保険会社の承諾が必要になるので、すぐに修理しないように、注意が必要です。 |
大体の流れはこんな感じです。最近の自動車保険の付帯サービスに、ロードアシスタンス付の契約も多いです。ご自身の加入している、自動車保険の内容を確認して知っておくのも大事です。
あと大事なのは、「その場で相手と示談しないこと」です。示談してしまうと、本当は向こうが悪い場合でも、一方的に全責任を負わされてしまう、というケースもあります。相手がこちらを責めてきても、保険会社と相談したうえで、決めるのが良いでしょう。
人身事故:事故の当事者の誰かが怪我をしたり、死亡した事故。
相手の怪我の程度によって、次の運転免許の累積点数が加算されます。
被害状況 | 被害者の過失 | |
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なし | あり | |
全治3か月以上、後遺障害 | 13点 | 9点 |
死亡 | 20点 | 13点 |
全治30日~3か月未満 | 9点 | 6点 |
全治15日~30日未満 | 6点 | 4点 |
全治15日未満 | 3点 | 2点 |
運転していた時の様態や、被害者の怪我の程度によって、過失運転致死傷罪、または危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。
被害者に対する、損害賠償義務も発生します。ただし、損害賠償については、自賠責保険と任意保険の、対人賠償責任保険によって、損害賠償額と同額の補償を受けることができます。また、自分や自分の運転する車の同乗者が怪我をした場合は、人身損害補償保険で、補償を受けることができます。
死傷者が誰もいない事故を言います。物損事故の場合は、違反点数は加算されません。また、刑罰を科されることも、基本的にはありません。相手の所有物を損壊してしまった場合、その修理費用や購入費用などを、賠償する責任を負います。ただしこの責任は、任意保険の対物賠償責任保険で、補償を受けることができます。
運転者が、人以外のどこかにぶつける事故。ただし例外として、飛び石事故などの、飛来物による事故や、動物との衝突事故も、自損事故に含まれます。単独事故ということもあります。
自動車の事故は、その発生した場所の区別で、交通事故と道路外事故に、分けることができます。交通事故とは、道路上で発生した事故を言います。道路外事故とは、コンビニやスーパーなどの敷地内で、発生した事故を言います。
道路外事故は、反則金や点数などの、行政上の処分がないことが大きな特徴です。刑事上の責任は交通事故と同様です。人を死傷させれば、過失運転致死傷罪や、危険運転致死傷罪に問われる可能性がある点は、交通事故とかわりありません。
民事上の責任も、交通事故と同様です。駐車場などで、フェンスにぶつけてしまった場合や、人を死傷させてしまった場合には、賠償責任を負います。道路外事故でも、任意保険は対人賠責・対物賠責共に利用可能です。ただし、自賠責保険は道路上の事故のみを対象としているため利用できません。
交通事故被害に巻き込まれ、軽傷の場合、あなたは救急車を呼びますか?見た目にも軽傷なら、現場にやってきた警察官から、事情聴取された後で、救急車を呼ぶかどうか、尋ねられます。
救急車を呼ぶかどうかは、被害者の判断に委ねられます。事故当日は軽傷だと思っていても、物損事故として届け出ている場合は、後から痛みが出たり、後遺症が残った場合に、補償が受けられなくなる危険性があります。なるべく当日中に、病院へ行って、医師の診断を受け、診断書を出してもらいましょう。
しかし、大した外傷がない場合は、救急車を呼ぶかどうかの判断に迷うでしょう。突然の事故で、手元に充分なお金を持ち合わせていなかった場合、救急車の費用や、搬送先での検査費、帰りの交通費はどうなるのか、という金銭面の不安もありますね。
軽傷なら、当日中に検査が終わって退院となるケースがほとんどです。これに保険が使えるかどうかという点も、不安ですよね。そこで、救急車を呼んだ時の費用について説明します。
救急車の出動にかかる費用は、税金で賄われています。だからと言って、救急車の濫用は、一刻を争う急病人や、重傷者の人命に関わります。
しかし、相当の痛みを感じているのに、費用が掛かるなら我慢してしまおう、と思うのは間違いです。必要があるなら、救急車は呼ぶべきです。特に子供が被害者になった場合、交通事故で動揺してしまい、うまく自分の症状を回答できないケースが考えられます。子供が被害者であれば、精密な検査が必要となるので、なおさら救急車を呼ぶべきです。
東京消防庁の、救急車出動件数は、年々増え続けると予想されています。救急車が、現場に到着するまでの平均時間は、平成28年では7分30秒です。救急車を待っている時間は、長く感じられますが、「サイレン」が聞こえてくれば、すぐに到着します。
病院について、検査を受けるかどうかを決めるときに、保険が使えるかどうかは非常に気になる点です。一般的には、「交通事故の場合は健康保険が使えない」と思われているようです。被害者が、検査を受けることにためらいを感じるのも、うなずけます。
しかし、交通事故でも健康保険は使えます。病院側に、保険が使えるかどうか聞いても、保険会社しだいと言われ、病院側は答えてくれません。実際に私も、病院側が答えてくれず、どうしたらいいかわかりませんでした。
人身事故の場合は、最終的には加害者または、保険会社が支払うことになりますが、病院は診断を受けた本人に請求します。建て替えできる場合は、領収証をもらって「第三者行為による傷病届」を、健康保険に提出すれば、保険会社が病院に支払います。
もし病院が応じない場合は、残念ながら被害者が建て替えるしかありません。年末年始など、保険会社が動けない時期は、病院としても、請求先がありませんので、被害者に請求せざるを得ない事情があります。
交通事故に遭ったときは、重症や怪我をしているときはもちろん、外傷がない場合でも、念のため救急車を呼んで、病院で検査をしてもらいましょう。その時は何もなくても、後にむち打ちなどの後遺症が出る場合もあるので、病院に行っておいて損はありません。
交通事故は、年間47万件以上発生しています。平成29年に交通事故によって亡くなった人は、3600人以上です。事故が起こるには、何らかの要因があります。事故になりやすい要因を知り、危険性を理解することで、運転するときの意識や、交通事故の予防につながります。
交通事故発生件数合計 | 536,899件 |
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死亡事故 | 4,028件 |
重傷事故 | 37,012件 |
軽傷事故 | 495,859件 |
死亡者数 | 4,177人 |
負傷者数 | 666,023人 |
重傷者 | 38,959人 |
軽傷者 | 627,064人 |
2015年の交通事故の統計
交通事故件数、交通事故での死傷者数などは、年々減少傾向にあります。交通事故の原因は何が多いのかを見ていきましょう。
信号のない交差点は、道路標識等によって示された優先道路や、明らかに幅の広い方の道路、徐行・一時停止の道路標識がない方の通行が優先となります。これらで優先関係が定まらないときは「左方優先」となります。
黄信号、赤信号に変わってすぐの信号無視は、事故のもとになります。無理に交差点に進入することは避け、黄信号でも停車できる速度で、走行しましょう。
交差点は、信号を守っていれば良いだけではありません。道交法では、できる限り安全な速度と方法で、交差点を進行しなければならないと、示されています。
交差点の手前などで、通行区分が規制されているにも関わらず、違反して右左折や通行をすると、事故の原因となります。右左折できなくても焦らず、次の交差点で曲がることを考えましょう。
速度違反が交通事故原因の上位に入ってくると思われた方は、多いと思われます。速度違反よりも、事故の原因は非常に多くあります。高速道路でも、速度超過が当然ではなく、規制速度は守りましょう。
道路を横断しようとする人は、車よりも優先です。交差点や、信号機のない横断歩道での事故は、多く発生します。交差点へ無理な進入を避け、常に歩行者優先の意識をもって走行しましょう。
道路交通法では「安全運転義務違反」に該当します。交差点でよく起きていますので、注意しましょう。
ハンドル操作を誤った、ブレーキとアクセルを踏み間違えた、などの運転操作ミスです。道路交通法では、安全運転義務違反に該当します。
脇見運転も、道路交通法では安全運転義務違反となります。スマートフォンなどの、携帯端末を操作しながらの走行は絶対にやめ、事故を未然に防ぎましょう。
同乗者とのおしゃべり、居眠り、単にボーッとしていた、などの漫然運転が一番多いようです。当たり前ですが運転に集中するようにしましょう。
最後になりますが、私の場合は単独事故で助手席に乗っていました。崖のようなところに落ちたにも関わらず、無傷で生還出来ました。友人たちと車2台で走行していたので、助けに来ていたのも幸運でした。この経験で、シートベルトの重要さも身に沁みてわかりました。シートベルトをしていなかったら、無傷ではいられなかったでしょう。
万が一事故になった時は、焦らず自分の身の安全を確保しましょう。わからないことがあったら、親や友人などに相談しましょう。皆さんも、事故には十分に気を付けて、安全運転を心がけてください。
以上
執筆:静岡大学自動車部