1台の自動車として、その使命を全うしたクルマでも、そこから様々なリサイクル部品が取外されて生産され、
多くの自動車整備業者さま等が利用されているということはみなさん、ご承知の沙汰でしょう。
そして、その部品が様々な用途で再利用されていることも、今となっては当たり前のことですね。
私たちミスター廃車マンも、お客様から買取った車を、リサイクル部品として活用しています。
そのような私たちの廃車買取にご興味のある方は、ぜひ無料査定をご利用下さい。
しかし、一言にリサイクル部品と言っても、それが全部中古部品かといえば、実はそういうわけではないのです。
少しややこしいかもしれませんが、ここで登場するのが「
リビルド部品」と呼ばれるリサイクル部品です。
そもそも中古部品とは
自動車から取り外した古い部品そのままの状態のパーツを指します。
それに対してリビルド部品は、
コア土台になる中古部品を分解して点検し、
消耗品や劣化が激しい部分があればそれに必要な部品を交換したり、
修理したりして、きちんと機能を果たすかどうかテストされた状態の部品です。
つまり、リビルド部品は中古部品と違って、外見的には問題なかった中古部品を使用してみたけれど、
またすぐに調子が悪くなってしまった、といったような性能的な部分に“
ムラ”が少ないということで、“
あたり”“
はずれ”の個体差をなくすことができるのです。
もちろん、それぞれのパーツによって影響の度合いは違いますが、いずれにしても、
品質的に見ても中古部品よりリビルド部品の方が高い位置づけになるわけです。
すなわちリビルド部品とは、「中古部品を限りなく新品に近い状態に再生した部品」とか「外側は中古で中身は新品」とかいう表現がしっくりくるかもしれません。
まさに、“Re-built”再構築ですよね。
しかし人によっては、そこまでするなら新品を使っちゃえば?と思いがちですが、リビルド製品は新品に比べて俄然、
価格が安いですし、中古部品を再利用するという点から廃棄物を減らせるというメリットがあるため、
環境への意識が高まる昨今の自動車解体業界から熱い視線が集まっているのです。
しかし、これまでのお話は、あくまで中古部品とリビルド部品を比べた時の場合であり、リサイクルパーツを取り扱う会社では、
同じリビルド部品同士を並べて比較した時に、メーカーによって製品の性能や品質に差が出てきしまうという問題が露呈されてきており、
「リビルド部品の品質基準」についての論議が活発化しています。
そもそも、現在リビルド部品には、明確な品質基準というものが存在しません。
つまり一言にリビルド部品といってもその中に“ピンきり”があるということなんです。
これがどういうことかというと、あくまでも再生品であるリビルド部品は、基となる中古部品の「どこ」を「なに」で「どう」修繕したかによって品質が大きく変わるものです。
コア土台用のオルタネーター
例えば、リビルド部品として人気の高い
オルタネーターというエンジンの中の発電機を担う部品については、
レギュレーターを純正品と交換したのか、それとも社外品を使用したのか、
また、コイルは交換か巻き直しか、といったように、内部にどのような施しをしたか、消耗品を交換したのか、修理したのか、
再使用したのか等の条件により
ひとつの部品の中でも品質に大きく影響するのです。
にもかかわらず、それがリビルトメーカーによって明確に開示されていないことが問題視されています。
また、保証内容や期間についても各社で異なり、中古パーツ販売店でもそれらをすべて把握することが困難だという声もあがっているのです。
さらに、ユーザーごとにリビルド部品に求めるものが変化するという問題もあります。
リビルド部品の使用を検討しているユーザーの大枠の認識としては「
新品よりは値段が安くて中古部品よりは品質が良い」というものがありますが、
その中でもユーザーによっては一番に値段を重視し、ある程度の品質までは妥協できる人もいれば、値段よりもあくまでも品質、
新品に限りなく近い製品でなければ満足できないという人もいます。
現状、このようなユーザーの異なるニーズに答えるためにはそのユーザーがリビルド部品にどんなことを求めているのかということを細かくヒアリングする必要があり、
中古パーツ販売店にその責務がある状況です。
そういった意味で、様々な要求や用途目的が存在するリビルド部品の品質を「ここまでの品質に満たなければリビルド部品とは認めない」
といったような統一された基準を設けてしまうと、かえってユーザーの目的を狭め、利用者の減少につながってしまうことにもなりかねません。
このように、リビルド部品の品質基準については、とても繊細な問題があるのです。
私たち、廃車マンではお客様の愛車から取外したリビルト用のコア(土台)を、リビルト会社に販売していますし、リビルト会社から品物を買っているので、
どの企業の製品が性能良く信頼できるか、またあの企業の製品は安いが悪い品質が多いと言う事を
ベテランのスタッフは熟知していますが、
経験の浅いスタッフでは、それらの事情を汲み取ることは非常に困難です。
この問題を解決するために、リビルド品をランク分けして、そのランクに応じた価格帯を設定するですとか、
特定の条件を満たした製品にのみ認定のシールを貼って差別化をはかるなどの様々な案が出されていますが、
いずれにしても、もっともっとリビルド部品を一般的に広めていくためには、実際にその部品を使うユーザーが求めるもの、あるいは納得できる製品、
しいては、リビルド部品の本当のメリットを各販売店がよく理解し、円滑に提供できるような体制を組み立てる必要があるように思います。
リビルトのコンプレッサー
リビルトのコアになる、エンジン