こんにちは、名古屋大学自動車部です。皆さんの車に【ドライブレコーダー】は、搭載されていますか?私は一昨年、信号待ちで後ろから来た車に追突され、板金90万円コースになりました。しかし、ドライブレコーダーを搭載していたことで、私が赤信号で完全に停止していたことが証明できたため、過失割合10対0となり、その後の話をスムーズに進めることができました。
ドラレコを搭載していれば、こういった事故だけでなく、当たり屋や最近話題のあおり運転などによる被害も最小限にとどめることができます。また、サーキット等でスポーツ走行を楽しむ方は、ドラレコを使って迫力満点の車載動画を撮影することもできます。(ハンドル捌きなど運転の様子は映せませんが....)
お高いイメージのあるドラレコですが、最近は海外製の価格が安いものも多く出回っており、機能は限られますがドラレコとしての役割は十分に果たすことができます。今回のコラムではドラレコの種類について簡単に解説した後、納車したばかりの新型ジムニー(JB64W)へのドラレコ取り付けの様子をお届けいたします。
ドラレコには大きく分けて①常時録画型②衝撃感知型の、2種類があります。現在の主流は①の常時録画型です。また、ドラレコとしての機能に加えて、レーダー探知機やカーナビ等の機能をセットにした多機能型と呼ばれるものも存在します。以下にその特徴を掘り下げて説明します。
このタイプのドラレコは、エンジンをかけてから切るまでカメラに映る全てを録画してくれます。最近のドラレコのほとんどがこの方式を採用しています。記録メディアの価格の下落により、現在ではこの方式が主流になりました。「常時録画」と聞くと駐車中も録画してくれると勘違いしがちですが、それには別途「駐車監視モード付き」の製品を購入する必要があります。このタイプは常時録画に加えて、エンジンを切ると自動で駐車監視モードに切り替わり駐車中の周りの様子を記録することができます。
監視モード中の電源については、車のバッテリーから取るタイプやドラレコ内蔵バッテリーを利用するタイプなど様々です。後述の衝撃感知型とは違い、衝撃がなくても記録が残るので、あおり運転を受けた際の証拠としても使えます。サーキットで車載動画も撮れます。デメリットは、国産モデルや高画質をうたったもの、バックミラー一体型など凝った作りのものは本体の価格が非常に高いこと。そして、常に録画しているため、大容量の記録メディア(microSDカード等)が必要なことです。しかし、最近では海外製の製品も常時録画に対応し始めたため、安価なものからも選べますし、記録メディアについても近年どんどん価格が落ちているため、あまり問題にはならないかもしれません。私はサーキットで車載動画も撮れるこのタイプを前後に装着しています。
その名の通り、衝突や急ブレーキ等で車に衝撃が加わった時の映像を記録するタイプです。ひと昔前のドラレコや、海外製の最安価グレードがこの方式を採用しています。記録メディアが高価だったころに、データ容量を節約するために主にこの方式がとられていました。衝撃が加わった瞬間に録画を開始するわけではなく、その前から少しさかのぼって録画されているため安心です。事故に関係ない部分を、自動的に消去する常時録画型と考えてよいでしょう。このため、常時録画型と違って大容量の記録メディアが必要ありません。
また、常時録画型よりも価格が圧倒的に安いため、予算はないがとりあえずドラレコをつけたいという方にもおすすめです。デメリットはやはり「衝撃が加わる前後」しか記録できないことでしょう。そのため、あおり運転等の被害を記録することができません。また前述の常時録画型には、そもそも衝撃感知機能がついているものが多く、衝撃を感知したシーンだけを別のフォルダにも記録してくれるため「探すのが大変!」となることも少ないです。
というわけで、これからドラレコを導入する方には①の常時録画型を私はお勧めします。買った中古車に付いていた等で②の衝撃感知型を使用している方も、煽り運転防止の観点からも常時録画型への乗り換えを検討されてはいかがでしょうか。ちなみに、ドラレコ取り付け後の扱いですが、事故が起きた時に必ず提出しなければいけないということはありません。提出は任意であり、もし自分が不利になると思うときは出さなければよいので、ドラレコを取り付けたことがマイナス方向に働くことはありません。
さて、お待たせしました。新型ジムニーへのドラレコ取り付け作業に移ります。今回取り付けるのはバックカメラとしても使える常時録画型ドラレコ前後セット(駐車監視機能なし)です。
使用した工具は10mm、12mm、14mmの6角ソケットとラチェットレンチ(メガネレンチでも可)、クリップ外し、内装はがし、目打ちなど小さい穴をあけられるもの。また、導線の被覆をはがしたり、端子を圧着するために電工ペンチとよく使う端子がセットになっているものを購入しました。
①助手席足元の内装と、グローブボックスを外します。ここをバックカメラからの配線が通ります。
②14mmで助手席側シートベルトを取り外し、クリップ外しと内装はがしを使いリアの内装パネルを取り外す。
クリップは、4ヵ所です。リアの12Vソケットがパネルに付いているので、配線をちぎらないように注意してカプラーを外します。
③リアバンパーを取り外します。画像で見える範囲以外に、下側2か所、両サイド2か所がボルト留めされているので注意。テールランプとナンバー灯の配線がつながっているので、注意してカプラーを外します。
上位グレードには標準でバックカメラが付くのか、もともとバックカメラ用の穴らしきものが空いていましたが、今回購入したバックカメラはうまく取り付けられなかったため、少しずらして取り付けます。しかし、配線用の穴が空いていたのは非常にありがたいです。
④テールランプの配線に添わせる形で、バックカメラ用の配線を車内に通します。
今回はゴムブッシュに、目打ちで穴をあけて通しました。
⑤いったん作業は前方に移り、フロントガラスにドラレコを取り付けます。しっかり脱脂してから張り付けましょう。
2つある配線のうち片方は電源と、もう片方はバックカメラとつながります。今回は前後カメラともにリアの12Vソケットから分岐で電源を取るので天井、ドアピラー、グローブボックス内と経由して車体後部まで導きます。
⑥リアの12V電源ソケットにつながる水色の配線を市販のキットを使い分岐させます。
下の画像はドラレコの電源ユニットと12V→5Vの変換アダプター。今回は車体側が12V、ドラレコが5Vなのでこのようなものを用いました。
変換アダプターから伸びる赤色のコードを先ほど分岐させた配線と繋ぎ、黒色のコードを上写真中央右のボルトに共締めしてアースさせます。
⑦そして、余ったコードをまとめて完成。なかなかきれいにまとまったのではないでしょうか。下写真右側の黄色いプラグはカーナビから伸びているもので、ドラレコの配線に割り込ませることでリアのドラレコの映像をナビに映すことができ、バックカメラとしても使えるようになります。
⑧ドラレコの動作確認をし、問題がなければ内外装を元に戻して完成です。お疲れさまでした!以上が新型ジムニーへのドラレコ取付けです。装着を考えている方の参考になれば幸いです。
今回のコラムでは、ドラレコの有用性や取り付け方法を取り上げさせていただきました。私も初めのうちは本当に必要なのか、事故にあうことなんてそうはないだろうと思っていましたが、どれだけ自分が気を付けていても事故を起こしたり巻き込まれたりするときは突然やってきます。
そのような時にドラレコに証拠がしっかり残っていれば過失割合を軽くしたり、事故後の手続きをスムーズに進めることができます。しかし、ドラレコがついているからと言って、油断は禁物です。車間距離はしっかりとり安全運転で行きましょう!
執筆:名古屋大学体育会自動車部