自動車のメーターパネルにはさまざまな警告灯が表示されます。
エンジンを始動させると、メーターパネル内に緑色・黄色・赤色など、さまざまな色で点灯し、しばらくすると消灯するランプがたくさんあります。
身近なところでは
・シートベルト警告灯
・燃料警告灯
・ドア警告灯
などが挙げられますね!
その他に『セキュリティ警告灯』や『EVシステム警告灯』など、近年の自動車に新たに搭載されたランプもあります。
警告灯は、ドライバーに故障や異常を知らせてくれる重要な役目を担っているのです。
今回は数ある警告灯の中でも、エンジン周りの故障や異常を知らせる『エンジン警告灯』について説明していきます。
このエンジン警告灯が走行中に点灯したらとても不安な気持ちに襲われます。
ある日突然に点灯する警告灯。
それでも点灯する原因を事前に知っているのと、知らないのでは大違い!!
もしも点灯してしまったら!?
そんな時のために『エンジン警告灯』について解説していきます。
『エンジン警告灯』と聞いて、どのような形で表示されるのか、すぐに思い浮かびますか?
エンジンチェックランプとも呼ばれるこの警告灯は、名前のとおりエンジン周辺の故障、
異常を知らせてくれるとても重要な役割があります。
この黄色いマルの中にあるマークがエンジン警告灯です。他の警告灯と同じようにメーターパネルに表示されます。マークもしっかりエンジンの形になっていますね!
ここでは、このエンジン警告灯が点灯してしまった場合、どのようなトラブルが考えられるのか?また、その対処法ついても詳しく解説していきます!
車のエンジンにはさまざまなセンサーが付いています。
・エンジン制御系
・走行系
・吸気・排気系
・電気系
車種や装備によってセンサーの数は異なりますが、どれも車を安全・快適に走行させるために必要不可欠なものです。
『エンジン警告灯』は、それら数あるセンサーの中で、エンジン本体やそれに関わるパーツに異常が発生した時に点灯します。
正常な場合『エンジン警告灯』のランプは、車のスイッチをONにした時に点灯し、
エンジンをかけると消灯するようになっています。
このランプが消えずに点灯をし続けると、どこかに異常が発生しているということになります。
では、どんな時にエンジン警告灯は点灯するのでしょうか?
エンジンには多くの制御システムが付いています。そのシステム内で安全走行に支障があるもの、またはエンジン本体の性能が不十分な場合、センサーがその異常を検知し、警告灯を点灯・点滅させて知らせてくれます。
エンジン警告灯が点灯する原因は数多くあり、その場で原因を特定することは困難です。
「問題なく走行しているから大丈夫!」などとは思わずに、まずは安全な場所に停車させることを心掛けましょう。
交通状況などによって直ぐに停車出来ない場合は、エンジンに負荷の掛かる急発進・急加速などはなるべく避けましょう。さらなる症状の悪化や事故に繋がりかねません。
突然、エンジン警告灯のランプが点灯したら驚きますよね。しかし、焦らずにゆっくりと落ち着いて行動することが肝心です!
車種によってエンジンを制御しているセンサーの数は異なりますが、エンジン警告灯が点灯する原因として主なものを挙げていきます!
①O2センサー
O2センサーはエンジンのエキゾーストマニホールドやマフラーなどに取り付けられています。役割としては排気ガスの酸素濃度を計測しています。
エンジン警告灯が点灯した時に最初に疑うべき箇所がO2センサーです。
このO2センサーが故障すると、適切な燃料調整が出来なくなってしまいます。すると、エンジンの調子や走行状態に悪影響を及ぼします。
このO2センサーが原因でエンジン警告灯が点灯した場合、すぐに走行が出来なくなったりするわけではありませんが、燃費の悪化や、放っておくとエンジンやマフラーの不具合に繋がります。
②エアフロセンサー
エアフロセンサーはエンジンへ送る空気量を計測するセンサーです。O2センサーの次に疑うべき箇所がこのセンサーです。
エンジンへの空気量が正常な値から外れるとエンジン警告灯は点灯します。この空気量に異常があるとアイドリング不調、最悪はエンストしてしまいます。
③イグニッションセンサー
イグニッションセンサーはエンジンの点火系のセンサーです。電子制御により適切に点火するシステムですが、この点火のタイミングが合わない時にエンジン警告灯が点灯します。
イグニッションセンサーに異常が起こると、ガソリンを上手に燃焼させることが出来なくなるので、アイドリングが不調になり、エンジンに力が無くなってしまいます。
まずは、車を安全な場所に停車させましょう。エンジン警告灯が点灯しても、すぐに異常が発生することはありません。
落ち着いてゆっくりと移動し、停車場所が確保できたらエンジンを停止しましょう。その後はディーラーや修理工場などへ電話をして指示を仰ぎます。
先ほどもお伝えした通り、エンジン警告灯が点灯する原因は数多くあります。自己判断せずに、その原因を適切に判断するツールが揃っている車のプロにお願いするのが良いでしょう。
先ほど、エンジン警告灯が点灯する主な原因を挙げました。しかし、点灯・点滅する原因は他にもたくさんあります。
①スピードメーター
②タコメーター
③可変バルブタイミング
④バッテリー
⑤カム角度センサー
⑥クランク角度センサー
特に比較的簡単に交換できるバッテリーは注意が必要です!
バッテリーの劣化や取付けが不十分な時などに、エンジン警告灯が点灯するケースなどもあります。
車には必ず付いている警告灯。
どのメーカーの取扱説明書を見ても『症状を確認し、速やかにお店で点検を受けてください』と書いてあります。
エンジン警告灯に限らず、車にはたくさんの警告灯が表示されます。中には大きな故障や事故に繋がるものもあります。
警告灯が点灯しても、絶対にそのまま放置したりせずにしっかり点検を受けましょう。
エンジン警告灯は、エンジンの制御システムに異常が検知された時に点灯します。つまり、この制御システムの範囲外のエンジントラブルについては教えてくれないのです。
しかし、車には多くの警告灯が表示されるとお伝えしてきました。ここからはエンジン警告灯以外のチェックランプや、その他のエンジントラブルについて解説していきます!
オイルランプは油圧警告灯とも言います。このランプはエンジンオイルの量が減少し、油圧が低下していることを知らせてくれます。
オイルの量が減少してしまう原因として、
①オイル漏れ
②オイルの劣化
この2点が挙げられます。その他、オイルを循環させるポンプが故障した場合にも油圧警告灯が点灯します。
エンジンオイルはエンジンを動かす為の重要な役割を担っています。オイルが減っている状態で運転してしまうと、エンジン破損の恐れがあります。
バッテリーランプは充電警告灯とも言います。
バッテリーも劣化などにより充電機能が低下した時に点灯します。
先ほどもバッテリーの劣化や取付けが不十分な時に、エンジン警告灯が点灯するケースをご紹介しましたが、メーカーや車種によって違いはあるものの、バッテリーに不具合がある場合には、このバッテリーランプが点灯するのがほとんどです。
点灯したまま走行するとバッテリーが損傷し、思わぬ事故に繋がる恐れがあります。
オルタネーターは、エンジンが回転する力を利用し電力に変換する装置です。余った電力をバッテリーに蓄える非常に重要な役割を担っています。
オルタネーターが故障してしまうとバッテリーの充電ができない為に、エンジンを始動することができなくなってしまいます。
また、オルタネーターはさまざまな部品へ電力を供給しています。本来この電力により機能している部品もバッテリーのみに頼るしかなくなります。
しかしバッテリーのみで全てをまかなうことは出来ないので、やがて、バッテリーランプが点灯し、車は停止してしまいます。
車が停止してしまう前に、安全な場所に停車させましょう。
水温とは、エンジン内を循環している冷却水のことを言います。冷却水はエンジンを冷やし、熱を持たないようにするとても重要な役割を持っています。
この冷却水の温度が上がってしまうと、エンジンが熱を持ち続け、やがてオーバーヒートしてしまいます。
車のエンジンルームから煙が上がっている光景を見たことがある人もいるでしょう。
高温になった冷却水が蒸発して起こる現象の1つですね。
水温計が上がる原因として、
①冷却システムの故障
②冷却水不足
この2点が挙げられます。
冷却システムには、ウォーターポンプ・サーモスタットの故障など、さまざまな要因が考えられます。
エンジンがオーバーヒートしてしまったら車を運転することは出来なくなります。
オイルや冷却水の量は容易に確認することが出来るので、『見たことがない』という方はぜひチェックしてみてください!
いくつかの警告灯を解説してきました。適切な対応をすれば、車に大きなダメージを与えることは防げます。
しかし、警告灯が点灯するということは、システムに異常がある、または部品に劣化や故障があるというお知らせですので、当然、部品の交換や修理が必要になってきます。
エンジン警告灯が点灯していても、そのまま走行を続ければエンジン本体に悪影響を及ぼします。
それが原因でエンジンが破損してしまい、エンジンを載せ替えるともなれば、高額な修理費用がかかってきます。
車種や損傷程度によって修理費用は異なりますが、軽自動車でも数十万円かかることでしょう。
エンジンの修理・交換ともなれば、その費用は大変高額になります。
現在は、エンジンも中古パーツとして流通し多くの方が利用しています。また、その中古エンジンを再生品としているリビルトパーツなどもあり、新品交換よりも安価で修理できるようになっています。
ディーラー・修理工場で「中古エンジン」「リビルトエンジン」で修理をお願いすることも、金額を安く抑える1つの方法ですね。
しかし、中古・リビルトエンジンがあったとしても、やはりエンジン修理・載せ替えには多くの費用がかかってきます。
そこでもう一つの方法が買い替えです。
エンジンが新品よりも安価で購入できたとしても載せ替え工賃は変わりません。
車種によって異なりますが、工賃のみで15万~30万円ほどかかってしまいます。
「それならば車を買い替える」という選択肢も浮かんでくることでしょう。
エンジンが損傷した車は、ディーラーでの下取り・中古車買取り店でも、値段を付けることは難しいです。
そんな時は「廃車買取り」をしている会社に連絡してみましょう。なんと!エンジンが損傷している車でも買い取ってくれるのです。
車種によっては予想外の金額で買取ってもらえることもあるので、次の車の購入資金の足しにできるかもしれませんね!
もしも警告灯が点灯してしまったら、『安全な場所に移動して停車した後、ディーラー・修理工場に連絡する』これだけを行えば、大きな故障・事故になる恐れは相当減ることでしょう。
しかし、警告灯が点灯する前に、日頃からのメンテナンスの重要性も知ることが出来ます。
ちょっとした心がけが車を長く乗り続けることができるコツですね!
思わぬ事故などのトラブルに遭わないためにも、自分できるチェックはぜひやってみてください。
さまざまな警告灯について解説してきましたが、ここでは紹介しきれていない警告灯もたくさんあります。
車に乗った際に、自分の車にどのような警告灯が表示されるのか、メーター周りのランプや取扱説明書を確認してみることから初めてみましょう!