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知ってるようで、知らない?!JAFって、なーに?

こんにちは!北海道大学自動車部です。
今回は「JAF」についてのです。

皆さんJAFとは何か知っていますか?
会員になっているという人もいらっしゃるかもしれませんが、よくわからないこともあるではないでしょうか?
「JAF会員って何?」
という方や、
「そもそもJAFってどんなことをしているところなの?」
という方、心配しないでください。
わかりやすく、ご説明いたします。

JAFの会員証カードの例
JAFの会員証カードの例

ちなみに、我々自動車部員はほぼ全員がJAFの会員になっています。
それはなぜなのか?も、一緒に解説していきます。

JAFの概要ですが、まずJAFという名前についてです。
JAFというのは略称で、正式には「日本自動車連盟」と言います。
英語表記した時の”Japan Automobile Federation”の頭文字をとって「JAF」と呼ばれているのです。
また、「JAF」の読み方についてですが、以前は「ジェイエイエフ」「ジェフ」と読んでいたらしいですが、何十年も前の話です。
今は皆さん「ジャフ」と読みますね。

JAFは2020年1月末の時点で、会員数1960万3155人(個人/家族/法人会員の合計)の団体です。
そして、FIA(国際自動車連盟)に加盟している日本で唯一の団体です。
ちなみにFIAとは、あのフォーミュラ1世界選手権(F1)や世界ラリー選手権(WRC)を主催している国際機関です。

会員カードにも、FiAのロゴが!
会員カードにも、FiAのロゴが!

ここからはJAFの主な事業を紹介していきます。

まず1つは『ロードサービス』です。
JAFと聞いて、これを真っ先に連想する人も多いのではないでしょうか。

24時間・365日いつでもどこでも救援要請があれば、すぐに出動してくれます。
出動は、約13.8秒に1件の頻度です。
皆さんが、よく利用されていることがわかりますね。

JAFのロードサービスは、会員になっていれば無料で受けることができます。
しかし会員になっていないと、例えばバッテリー上がりの復旧だけで13,130円(税込)もかかってしまいます。
会員の年会費は4,000円なので、これが無料になるのはかなり大きいですよね。

もっともロードサービスだけならば、任意保険にも付帯サービスでついていることが多いです。
しかし任意保険の付帯サービスではなく、JAFのロードサービスを利用する理由とは何でしょうか。
理由の一つはJAFのロードサービスは回数制限がなく、何度でも会員価格で利用することができます。

実は、任意保険の付帯のロードアシスタンスサービスの多くは、二回目から通常料金に戻ります。
他の理由は、任意保険は「クルマ」にかけるものであるのに対して、JAFは「人」にかけるものである点です。

これはどういうことかというと、任意保険のロードサービスでは保険契約をしている自分の車のみでしかサービスを受けられませんが、JAFのロードサービスは自分の車はもちろん、同乗していた友人の車やバイク、さらにはレンタカーや社用車でもサービスを受けることができます。
任意保険のロードサービスは最低限ですが、JAFの会員になることで、車が故障してもさらに安心というわけです。

会員カード裏、救護コール番号
会員カード裏、救護コール番号

モータースポーツの振興!!
モータースポーツの振興!!

続いてJAFの二つ目の主な事業である、『モータースポーツの振興』です。
一口に『モータースポーツの振興』といっても実際何をしているのでしょうか?
具体的に説明していきます。

JAFはFIA公認の日本唯一の四輪モータースポーツ統括団体として、競技会の公認や諸規則の制定、また競技ライセンスの発給もおこなっています。
JAF公認の競技会とは、全日本スーパーフォーミュラ選手権や、SUPER GT、ラリー・ジムカーナ・ダートトライアル・レーシングカートの全日本選手権などがあります。

公認競技会に参加するためには、JAFが発給する競技ライセンスを持っていないといけません。
この競技ライセンスを取得するためには、JAF会員になる必要があります。
前述の「自動車部員はほぼ全員がJAFの会員になっている」というのはこのためです。

自動車部はラリー・ジムカーナ・ダートトライアルなどの競技を行う部活動なので、競技ライセンスが必要なのです。
下の写真は、ダートトライアル競技をしている自動車部員です。
かっこいいですね。

競技に出場した部車
競技に出場した部車

次に諸規則の制定ですが、これは前述の公認競技会に参加するときの、参加車両などの規則を決めているということです。
少し、具体的に説明します。
JAFの本部または支部に行くと下の写真の「JAF 国内競技車両規則」という冊子を購入することができます。

JAF 国内競技車両規則
JAF 国内競技車両規則

この冊子には、JAF公認競技に参加するための車両規則が事細かに記載されています。
そのため、辞書並みの厚さがあります。
これはモータースポーツに参加しようとしていなくても、またJAF会員でなくても、誰でも購入することができます。

記載されている内容は「グランドツーリングカー500(GT500)」や「スーパーフォーミュラ」などの車両規則も書いてあります。
これを読み込めば、各競技のレギュレーションに詳しくなれます。
レギュレーションの勉強をしてから観戦すれば、今までと違った楽しみ方もできるかもしれません。

例えば、グランドツーリングカー500(GT500)の車両は「最少2座席を有し、車両の片側面にそれぞれ1枚の乗降用ドアを有する自動車」でなければなりません。
よって、4人乗りでもいいのです。
でもわざわざ4人乗りにするチームはいません。
速さを競う競技ですから、座席は少なくして余計な重量を減らしているのです。

逆に、グランドツーリングカー500(GT500)車両の場合ドライバー以外に、もう一人乗って競技に出走することはほとんどありませんが、助手席が用意されている理由がわかりましたね。
レギュレーションで2人乗り以上というように定められているのです。
これに違反してしまうと、出走できなくなってしまいます。

また、エンジンに関して「過給機付き筒内直接噴射の直列4気筒で、排気量2,000ccを超えることの無いエンジンのみ」との記載があります。
これは、「直列4気筒2L直噴ターボ」のエンジンは規定に該当するということになります。

さらに「搭載されるエンジンは、車室より前部に配置されなければならない。」また「基本車両の駆動方式に関わらず後輪による駆動のみが許される。」と決められているので、エンジンが前、駆動輪が後ろの一般的に言う「FR」の車になっていないといけないのです。

以上のことをまとめてみると、グランドツーリングカー500(GT500)車両は(最大)2LターボのFRですから、エンジンの大きさや駆動系の配置は、例えば「日産シルビア」などと似ているということですね。

他にも、「ホイールのサイズは、フロント:12j-18、リア:13j-18 とする。」と記載されています。
グランドツーリングカー500(GT500)の車両の、ホイールは18インチだったんですね。
ですが太さが市販のホイールに比べるとかなり太いです。
下の写真は、タイヤがついていますが、一般車用の市販競技走行向けホイールです。

競技向け、幅6.5インチのホイール
競技向け、幅6.5インチのホイール

径は15インチですが、幅は6.5インチです。
グランドツーリングカー500(GT500)車両のリアホイールの横幅はその2倍の13インチです。
単純に考えて、市販のホイールを2本並べたくらいの太さがあるということです。
径は18インチ、幅は市販品6.5インチの倍近い13インチです。
レーシングカーのホイールは、市販のものとどのように違うのかイメージできましたか。
これで少しレーシングカーが市販車とどこが似ていて、またどのように違うのか少し実感できたのではないでしょうか。

この競技車両規則書には、まだ楽しみ方があります。
モータースポーツという競技は、どうしても危険が伴います。
特に言われるのは、ラリーなどです。
ラリーでは、封鎖された公道をコースにして速さを競ったりします。
サーキットのように、スポンジバリアやタイヤバリアはありません。

そんなラリーでは、車両側により高い安全性が要求されます。
規則書には「ラリー車両規定」という項目があります。
JAF公認のラリー競技に出場するにはこの項目に書いてある条件を満たしている必要があります。

その中で今回は「ロールケージ」ついて紹介します。
規則書には、
「6点式+左右のドアバーを基本構造とし、(中略)気筒容積が2,000ccを超える車両については、少なくとも1本の斜行ストラットを取り付けたロールケージを装着することを強く推奨する。」
と、書かれています。

6点式のロールケージの説明は省略しますが、左右のドアバーとは、下の写真のX字の鉄パイプのことで、規則書ではX字でなく1本の鉄パイプでも良いことになっています。
写真の車両はラリーカーとして制作されたもので、規則書通りの装備が整っています。

ドアバー(X字の白いパイプ)
ドアバー(X字の白いパイプ)

また斜行ストラットとは下の写真の中央下側に写っている斜めの鉄パイプのことです。
下記のFドリしているミラージを、運転席周辺から後方を写した写真になります。

ロールゲージ装着でFドリを決める!
ロールゲージ装着でFドリを決める!

規則書の、
「気筒容積が2,000ccを超える車両については、少なくとも1本の斜行ストラットを取り付けたロールケージを装着することを強く推奨する。」
と、いう部分ですが、要するにスピードの出る車両についてはより安全なように斜行ストラットもつけることを奨める、ということです。

この斜行ストラットを取り付けることで、ロールケージ全体がとても高い強度を持つ「トラス構造」に近くなるため、格段に安全性が高くなります。

斜行ストラット(矢印の部分)
斜行ストラット(矢印の部分)

さらにこのロールケージのパイプは、ただの鉄パイプではありません。
構成するパイプの仕様は、
「材質は冷間仕上継目無炭素鋼(引抜鋼管)とする。」
「円形の断面を有する継ぎ目のない1本パイプを使用すること。」
「最少寸法は40㎜(直径)×2㎜(肉厚)とする。」
などというように、事細かに決められています。

飾りだけのロールケージでは意味がありませんから、しっかりと乗員を保護できるようにパイプ自体の強さと、パイプの組み合わせ方に厳密な規則が設けられています。
このようにラリー競技を安全に行うことができるように様々な項目が用意されており、これを満たす車両で競技を行うことで初めて安全性が確保されます。

ここまでJAFについて解説してきましたが、JAFの業務すべては、車に乗って街中を走っている人や競技を観戦する人、出場する人など、車と共に生活している人に安心して車と付き合ってもらうための手助けなのです。
任意保険だけでは足りないロードサービスの部分を年中無休で補い、競技会の公認をおこなってそこに厳しい規則を設けることで競技の安全も確保しているのです。

『JAF』は車社会の日本では、もはや欠かすことのできない存在と言えるでしょう。

執筆:北海道大学体育会 自動車部

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